こんにちは。暑い夏も終わりが近づき、秋へと季節が移り変わり始めましたね。
秋と言えば読書の秋、食べ物の秋、そしてスポーツの秋。つまりe-Sports、結局WCSの秋と言えますね。というか、秋ってWCS以外何かありましたっけ?
…まあ、全ての地域でWCS参加チームが出揃いました。World Championshipの詳細については、Game 4 Broke様にてよくまとめられているので、こちら(World Championship 2016 開催概要 / Game 4 Broke)をお読みになるのが良いと思います。
さて、そんな世界大会のWCSですが、出るチームをよく知らない!という方もいると思います。というわけで、できる限りチームの紹介をたまに失礼なことを書きながらやっていきたいと思います。
今回はNorth America編になります。
参加チーム
NA LCS(北アメリカ) – 当記事
- Team Solo Mid
- Counter Logic Gaming
- Cloud 9
EU LCS(ヨーロッパ) – 次回以降書くかも
- G2 Esports
- H2k-Gaming
- Splyce
LPL(中国)
- EDward Gaming
- Royal Never Give Up
- I May
LCK(韓国)
- ROX Tigers
- SK Telecom T1
- Samsung Galaxy
LMS(台湾、香港、マカオ)
- Flash Wolves
- ahq e-Sports Club
IWC(ワイルドカード)
- INTZ e-Sports(ブラジル)
- Albus Nox Luna(ロシア)
NA LCS(北アメリカ) – 3チーム
1st – Team Solo Mid
チーム概要
Summer Split Regular Seasonで圧倒的な力を見せつけたTSM。TSMはNAの中でも歴史が長く、常に上位に在り続けています。前期の始めにBjergsen以外のメンバーを全て入れ替え、大変革を行いましたが、春はあまり調子が優れませんでした。
そして今期はSupportにトライアウトで獲得したVincent “Biofrost” Wangを配置し、元々Supportが務めていたShotCallerの役割をMidのBjergsenとADCのDoubleliftが軸になるよう変更。これらが上手く成功し、Summer Splitでは17-1という成績でシーズンを終えました。
チームの傾向としては一つのレーンから試合を動かすよりも、集団戦や視界のコントロールで試合を決定づける傾向にあります。そのため、試合を動かすのはJungleのSvenskeren / SupportのBiofrostから、というのが多いでしょう。
プレイヤー概要
Role | ID | Name | Country |
Top | Hauntzer | Kevin Yarnell | ![]() |
Jungle | Svenskeren | Dennis Johnsen | ![]() |
Mid | Bjergsen | Søren Bjerg | ![]() |
ADC | Doublelift | Yiliang Peng | ![]() |
Support | Biofrost | Vincent Wang | ![]() |
TopのHauntzerは広いチャンピオンプールを持ちながら、どのチャンピオンをPickしてもレーン戦でほとんど負けません。NAでは、Hauntzerをレーンで負かすのはC9 Impactぐらいでしょう。今期は1v1を得意とするイレリアを多くPickしていましたが、その技量から様々なメタピックが可能で、プレイオフではエコーやガングプランクをピックし、相手にBANさせるほどの影響力を見せました。
ただし、安定したプレーが得意なプレイヤーのため、世界の名だたるトップレーナーと戦った時に同じように安定しているか…というのが不安材料です。
JungleのSvenskerenは、おそらくこの1年で最も成長したJunglerです。今年の始め、移籍直後は移籍メンバー4人の中でも最も不安視されていたプレイヤーでしたが(Svenskerenが元いたSK Gamingは、Svenskerenの代でPromotionに失敗し2部リーグに降格しています。ちなみにそのPromotionの対戦相手は、EU1位のG2 Esports)、今やTSMにとって最も試合を動かすキープレイヤーになりました。
MidのBjergsenとは同郷で、同時期にEUのCopenhagen Wolves / Ninjas in Pyjamasというチームに所属していたことがあります。
MidのBjergsenは名実ともにNAで最高のMid Lanerです。TSMが低迷していた時代も、Bjergsenの活躍とは裏腹に勝てないチームを皮肉って”Team Solo Mid”と呼ばれていたほどで、TSMに加入してからずっと一番の注目を浴び続けてきました。
NAのMidの中でもKDAが7.1と抜群に高く(2位は4.9のIMT Pobelter)、立ち回りの上手さと安定感があります。それだけに敵チームからの警戒も強く、TSMと対戦するチームは多くのBAN枠をBjergsenに割り当てる傾向にあり、メタに合った得意チャンピオン(少し前はアジール、現在はブラッドミアなど)はほとんどBANされることになるでしょう。
ADCのDoubleliftは、もともとCounter Logic Gamingのスーパースターです。TSMへの移籍時には大きな衝撃を与え、話題性は抜群だったのですが、前期はあまり冴えないプレーを連発し(特に、棒立ちコグマウが典型的でした)チームへあまり貢献できませんでした。
今期は妖夢黒斧ルシアンでアグレッシブなプレイスタイルを取り戻し、前期では2試合しかPickしなかったルシアンをシーズン中21試合でPick。チームメイトのBjergsenにこんなコラを作られるなど、存在感を見せつけました。ルシアンをピックし始めてから、シヴィアやジンでも安定した成績を残し、彼はまたNA最高のADCに返り咲きました。
SupportのBiofrostはDoubleliftが欲しがっていた最高のサポートとなりつつあります。指示系統はあまりしないものの、秀でた操作技術と高い瞬間判断能力、そしてDoubleliftに合わせる従順さを持ち合わせた、まさにTSMの為のSupportでしょう。TSMがDoubleliftの力を引き出せたのは、彼の力があってこそです。ある意味繊細な(怒りっぽい)Doubleliftをこれからも上手くコントロールしていければ、結果はついてくるでしょう。
2nd – Counter Logic Gaming
チーム概要
Spring Splitでは好調だったCLGですが、Summerではイマイチパッとしない試合が多かったです。しかし前期の分のChampionship Pointが残っていたため、なんとか2位でWCSへの切符を手に入れました。
不調の理由は今の環境と相性が悪いことも大きいですが、コミュニケーション不足、あるいはミスから来る中盤以降の失速が挙げられるでしょう。特にそれが顕著に現れているのはBaronの獲得率で、上位チームのTSM / IMT / C9は70%近くBaronを取っているのに対して、CLGは40%程度と半分を下回っています。それでも彼らが勝率50%以上でシーズンを終えたのは、彼らの持っている技量が高いからと言えるでしょう。
とは言っても、今期の彼らのプレーからすれば、世界大会は苦い結果になる可能性が高いです。これから復調するかどうかは、WCSまでの時間をどう使うかが重要になるでしょう。
プレイヤー概要
Role | ID | Name | Country |
Top | Darshan | Darshan Upadhyaha | ![]() |
Jungle | Xmithie | Jake Punchero | ![]() |
Mid | HuHi | Choi Jae-hyun | ![]() |
ADC | Stixxay | Trevor Hayes | ![]() |
Support | Aphromoo | Zaqueri Black | ![]() |
TopのDarshanは生粋のSplit Pusherで、特にジャックスやイレリアを得意としていますが、Playoff以降はメタに合わせてシェン、ナー、エコーなどのチャンピオンをピックするようになりました。正直なところパッとしないので、Split Pusherがもっと輝けるような環境になれば活躍が期待できるでしょう。
JungleのXmithieは、よくわかりません。見た目がゴリラです。特筆するほど凄いプレーをするわけではないのに、よくやらかすのでお笑い向きだと思います。
MidのHuhiはよくIMTのHuniと間違えられますが、ルブランやゼドなどのアサシンが得意なMid Lanerです。近頃はアサシン環境ではないですが、使えるときがくれば目が覚めるようなプレーをしてくれるかもしれません。最近は見ていて眠いですが、安定して活躍しています。
また、世界でも数少ないオレリオンソルの使い手としても有名です。WCS参加チームの中でもオレリオンソルを公式試合で使えるのは、HuhiかIMのBaeMeぐらいでしょう。
ADCのStixxayは春に比べて立ち回りが甘くなった代わりに、ダメージを出すのが上手くなったような気がします。そのせいでバロン獲得率が落ちてるんですが、まあ、死んじゃうのはしょうがないですよね。元々射程の長いレートゲームキャリーが得意なので、ケイトリンやトリスターナが使えるような構成ならもっと目立てるはずです。
SupportのAphromooは少し前までNA最高のSupportと言われていましたが、今期はあまり活躍できませんでした。バードが得意で、バードをピックすれば非常に敵にしたくない存在です。実際に、PlayoffのTSMはCLG相手に、3戦連続バードをBANしました。
今期はAphromooがピックアップされる展開を何度も見たので、その甘えたプレーをどこまで減らせるかが課題になってくるでしょう。
3rd – Cloud 9
チーム概要
去年のRegional Qualifier(NA 3位を決めるトーナメント、春夏を合わせた成績で3~6位までのチームが争う)に続き、激戦を制して世界へと駒を進めたのはまたもやC9となりました。特殊な力が働いてるとか、あるいは運命なのか、ただ彼らが土壇場で最強なのかわかりませんが、驚きです。
何といってもRegionalsの最終戦はImmortalsという、2016年のNAを語るうえで無い事にはできないチームが相手でした。彼らは春からシーズンで計3試合しか負けていない(春は17W-1L、夏は16W-2L)のに、結局Worldsに行くことは叶いませんでした。
彼らのチーム構成は一貫して、MeteosをTankにすることがほとんどです。その理由は”味方のキャリーが強いから”に他なりません。彼らが誇る2人のキャリープレイヤー、JensenとSneakyは、どちらも集団戦で最高のパフォーマンスを発揮してくれます。今期加入のSupport Smoothieは判断力に優れたプレイヤーで、戦闘中のキャリーたちを守る技量を持っています。Shotcallに不安こそあるものの、個々の技術を見ればTSMをも凌ぐプレイヤーたちが揃っています。
プレイヤー概要
Role | ID | Name | Country |
Top | Impact | Jung Eon-yeong | ![]() |
Jungle | Meteos | William Hartman | ![]() |
Mid | Jensen | Nicolaj Jensen | ![]() |
ADC | Sneaky | Zachary Scuderi | ![]() |
Support | Smoothie | Andy Ta | ![]() |
Support | Bunny FuFuu | Michael Kurylo | ![]() |
TopのImpactですが、彼以上のTop lanerは私の知る限りNAにいません。レーンでのプレッシャー、集団戦の技術、隙を見逃さぬソロキル…総合的に見ても、世界最高クラスのTop Lanerでしょう。Season 3ではSKTに所属し、WCS優勝経験もあるため、大舞台に慣れているのも彼の強みです。PlayoffやRegionalsでもほとんどのTop lanerに勝利し、レギュラーシーズン以上の活躍を見せていたので、WCSで最も注目したい選手の一人です。
JungleのMeteosの名前は日本のゲーム、メテオスから来ているんです。前期はRushが出場していたので出ていませんでしたが、今期から出場し心機一転で長い金髪から、長さも短く、色も少し暗くして爽やかにイメージチェンジ。前まではアメリカのイケイケボーイという感じでしたが、好印象な見た目になりましたね!!
……プレイですか?彼はファームを中心としたプレイスタイルで、また戦闘でのヘルス管理が上手いプレイヤーとして有名です。平均1.4デス(リーグ最少)、KDA6.7(1位)という成績にもそれが表れています。タンクチャンピオンを使うなら、参考にして損はないプレイヤーでしょう。
MidのJensenは元々EUのラダーで1位だったこともあり、才能に溢れたプレーを見せてくれます。C9は二人のキャリーを中心にしたチームですが、プレーにインパクトがあるのは確実にJensenでしょう。近頃はカシオペアをよくピックしていますが、チャンピオンプールが広く、敵にとって想定外のピックを平気で投入してきたりします。見ていて面白いビッグプレーであったりトリックプレーをしてくれるので、視聴者としても楽しめます。
ADCのSneakyは集団戦で輝くADCarryです。立ち位置の確保がうまく、生存率がとても高いのが彼の持ち味です。自分から敵を積極的に狙いに行くより、距離を取りながら最も優先度の高い近くの敵を攻撃することが多く、最もADCarryらしいADCと言えるかもしれません。あと、Meteosと仲が良いですね。
SupportのSmoothieは言葉にし辛いのですが、戦闘中の判断力に優れたプレイヤーだと思います。特にレギュラーシーズンでは、彼のカルマが味方をギリギリの状況で救うのを何度も見ました。何もかもをそつなくこなし、いてほしい場所にいて、求めていたよりも上の結果を残してくれるSupportといった感じでしょうか。彼のせいでSupport二枚構成の片割れだったBunny FuFuuは全く目立たなくなるほど、優秀なプレイヤーです。
あとがき
今期はかなりNAのレベルも上がっているように思います。WCS優勝は厳しいかもしれませんが、去年のような醜態は晒さないはず。私はTSMファンなのですが、どんな結果を残すのか今から楽しみです。
二回以降は気分次第で書くかも? もう少しでWCSのGroup Draw(グループ分けを決める抽選)があるので、そんな情報も合わせて書きたいですね。