本日実装されたPatch6.12。あまり大きな変更はなく、微調整が多いですが、今回のパッチで影響を受けたチャンピオンを考察してみましょう。
直接的なBuff Nerf
公式のTwitterで公開しているBuff nerf表です。
まずはコーキ。Patch6.7でAAの追加ダメージが削除され、前回のパッチではトリニティのクリティカルが削除されたことで間接的なナーフを受けました。MID/ADCで使われていた栄光から、現在は救いようがないほど落ちぶれてしまっていて、Patch 6.11においてADCの中で唯一勝率が45%を下回っています。
今回のバフで第一線にカムバックするとは考えにくいですが、Wのクールダウンが減少し、Eのスタックが早くチャージされるようになったことで、アグレッシブなレーンにおいて強力になりました。トリニティが完成した時点での強力さは以前にも増しているので、できるだけその強い時間帯を活かせるようにしましょう。まあ、勝率47%程度になるのではないでしょうか。
今回のパッチで最も影響が大きいのはフィズでしょう。プロシーンでもTop フィズが登場してから、いつNerfを受けるのだろうと思っていましたが…。アサシンが防御アイテムを積み、ベースダメージでキャリーを倒してしまうビルドというのは、常にRiotが嫌うものです。
ただし今回のフィズのパターンは、少し前に猛威を振るったエコーの場合と違います。現環境ではTop Tankフィズのみが活躍しているわけではなく、Mid APフィズも強力なためです。エコーの場合はAP運用が全くと言っていいほど利用されず、基礎ダメージをAPレシオに振り分けることで”調整”しましたが、今回のフィズは両方の運用に対して影響する完全なナーフである点です。
今回のEのナーフにより、特にロングレンジのチャンピオンに対して無防備な時間が増えたため、射程の長いレートゲームキャリーとしてはこれまでと比べてかなり楽になるはずです。
誰だお前
間接的なBuff Nerf
エッセンスリーバー・インフィニティエッジ
- +5AD
ADが”5″上昇したこの2つのアイテムですが、5変わったところで世界が変わることはないでしょう。ただし、バフであることには間違いありません。特に影響が大きいのは、この2つのアイテムを両方購入するチャンピオンです。
アッシュや
シヴィアといったチャンピオンは、元々勝率の高いチャンピオンですが、ER→AS→IEというビルドが一般的です。今回のパッチでも直接的なナーフは受けていないので、勝率が上昇することが推測できます。
ロッドオブエイジス
- +100Gold
- 消費マナをヘルスに変える力 25% → 20%
100ゴールド高くなり、久遠のカタリストのパッシブであるマナをヘルスに変換する能力がナーフされました。特にTanky APかつToggle Spellを持つチャンピオン、 スウェインや
カーサスに対するナーフになります。
Toggleは戦闘中でさえこのパッシブによるヘルス回復が高く、それがこれらのチャンピオンの勝率を高める一つの要因でした。もちろんRoAを積むチャンピオン全てへのナーフなのですが、大きな影響を受けるのはこのチャンピオン達になるでしょう。
ラストウィスパー派生のアイテム
- +10 AD
buff marksman。
妖夢の霊剣
- -5 AD
nerf assassin。ですが、特に影響するのは この妖夢ADC達になるでしょう。妖夢黒斧ビルドが開発されてから、ADCで妖夢を採用することは珍しくなくなりました。ヴェインなどでもたびたび購入されていましたね。
今回の-5ADによって、IEやERを購入するマークスマンと比較し10ADの差が出ることになります。これまで妖夢 vs ERorIEでは圧倒的に有利だった妖夢ですが、”それなりに有利”ぐらいには縮まりました。ただし、妖夢とIEを1本で比べた場合、まだまだ妖夢の方が強力なので、「妖夢のAD下がったし、IEはAD上がったし余裕!」とは思わないようにしましょう。
不死者の握撃
- ダメージが3%に、ヘルス回復が1.5%に(前回は両方2.5%)
基本的にナーフなのですが、ダメージ量が上昇しているのでダメージが欲しいタンクチャンピオンにとってはバフとも受け取れます。例えばタンクフィズやタンクエコー…「あれ?こいつらのこと嫌いじゃなかったんですか?」と言いたくなるのはわかりますが、大したものではないのでそこまでの影響はないでしょう。
戦いの律動
- スキルを使用した際のスタックが2から1に
スキルをAAの間に効率よく使用するチャンピオン、 などへのナーフになります。低CDのスキルを持つルシアンやアッシュはスタックをとても早いスピードで貯めていたので、これからはAS型のADCと同じぐらいの速度でゆっくり貯めてくださいという調整ですね。
諸刃の剣
- 遠隔攻撃チャンピオンでも与ダメージ3%増加、被ダメージ1.5%増加に
ルブランのようなアサシンが持つようになるのか?とも考えられますが、特に影響の大きいのはRangedのジャングラーですね。レーンではつまみ食いのサステインが強力なのであまり選択肢に入らないと思います。
元々諸刃の剣を採用していることが多かった変身系のエリスやニダリーは単純なバフですが、Rangedであるがゆえに諸刃の剣を採用できなかったグレイブスやキンドレッドは、弱点察知からこちらにシフトしていくでしょう。
また、ADCでこのマスタリーを取るのも悪くないかもしれません。ソラカやナミといったサステインを供給してくれるサポートが味方で、序盤にサステインの心配がないのなら、3%のダメージ上昇は非常に強力です。受けるダメージが1.5%上がったところで、捕まったらどっちみち死ぬので気にしないでください。
まとめ
フィズのナーフや妖夢のナーフにより、序盤のADスキルファイターのパワースパイクが抑えられ、タンクアサシンが若干弱くなりました。注目されるのはケイトリンやアッシュといったロングレンジのレートゲームキャリーになるでしょう。チームではレートゲームを意識した構成がよく見られるようになるはずです。
ケイトリンはW上げが流行していて、R>W>Q>Eというスキルオーダーがポピュラーなものになり始めました。W上げであればレベル9から罠が5個置けるので、これまでよりケイトリンが楽しくなりますね。キレイに並べたケイトリントラップを敵に見せつけて殺しましょう。
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ソロキューでは依然フォーチュンやイレリアが強いです。ブラッドミアは今回調整が入っていませんが、大会などのストリームでは「Vlad balanced(最高のバランス調整だな!という皮肉です)」というコメントが流れまくるほどのOPなので、使えるようならとても強力でしょう。ともかく、今回大きな変更があったのはフィズぐらいなものなので、前回パッチのOPはフィズ以外引き続きOPです。
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あとがき
現環境の、イレリアに対抗するためにジリアンやカルマみたいなMIDが出てくる流れが好きです。Topエコーは消えたと思ったらまた沸いてきたので、あと数回殺されそうですね。まあ仕方ないか。